実家がゴミ屋敷になったら片付け方と、頼れる窓口・業者の選び方

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要点
- 親が高齢なら、まず親の家がある市区町村の地域包括支援センターに相談できます。
- ごみ屋敷の条例を作り、市区が片付けを支える所があります。足立区は条件を満たせば上限100万円まで区が片付けを行います。
- 片付けの道は3つ。全部自分で市区町村に出す、一部だけ頼む、まとめて業者に頼む、です。
- ごみを運べるのは、市区町村の許可か委託を受けた業者だけです。「詰め放題」の広告には気をつけます。
- 一度片付けても、また物がたまることがあります。片付けたあとの見守りまで考えておきます。
ゴミ屋敷の片付け方は、3つの道

1全部自分で、市区町村に出す
向いている人:時間があり、運ぶ車と人手がある
量が多い分は、市区町村の多量ごみの収集や、処理施設への持ち込みが使えるかを確かめます。粗大ごみは1回に出せる数が決まっていることが多く、回数と日数がかかります。
2大きな物・多い分だけ業者に頼む
向いている人:小物は分けられるが、家具や量の多い分を運べない
分ける作業は家族で、運び出しや多い分だけを業者に頼む形です。ごみを運ぶ業者は、市区町村の許可か委託があるかを確かめます。
3まとめて業者に頼む
向いている人:遠くに住んでいる・時間がない・体力に不安がある
複数の業者から見積もりを取り、作業の中身、追加料金、キャンセル料を確かめます。片付けたあとの見守りまで、窓口と一緒に考えておくと安心です。
市区町村ごとの出し方と許可業者の一覧は、市ごとのページで確かめられます。
親が元気なうちは、本人の気持ちを大事に

介護や医療のサービスを断り、社会から孤立して、暮らしや健康を保てなくなっている状態を「セルフ・ネグレクト(自分で自分の世話をしない状態)」といいます。厚生労働省は、認知症や病気などを抱える人も多く、本人が「困っていない」と支援を断ることもある、と説明しています。
市区町村や地域包括支援センターは、相談を受けて積極的に対応することが求められています。地域包括支援センターは、すべての市町村にある高齢者と家族のための総合相談の窓口で、保健師や社会福祉士などがいます。
ごみ屋敷の撤去を市区町村が手伝うときも、ほとんどが本人の同意を得て行っています(環境省の調査で99.3%)。総務省の調査では、まだ解消していない例の約3割で、本人が「価値のある物だ」と言って出すのを断っていました。無理に進める前に、窓口と一緒に考えるのが近道です。
親の判断する力が不十分になり、財産の管理や契約が難しくなっているときは、家庭裁判所が選ぶ後見人が支える「成年後見制度」があります。申し立てられるのは、本人や配偶者、四親等内の親族などです。
市区が片付けを支える「ごみ屋敷条例」
環境省の調査(令和6年度)では、ごみ屋敷のための条例などがある市区町村は90でした。撤去の費用は本人の負担が最も多く、次いで負担なし、市区町村の負担の順です。主な市区の支え方は、次のとおりです。
業者に頼む前に確かめること
- ごみを運ぶ許可家から出たごみを運べるのは、市区町村の一般廃棄物処理業の許可か委託を受けた業者だけです。産業廃棄物処理業や古物商の許可では運べません。
- 「詰め放題」「定額パック」の広告国民生活センターには、空き家になった母の家の片付けで「2トントラック詰め放題」を頼んだら、当日は荷台の囲いの高さまでと言われた相談が寄せられています。積み込んだあとに25万円を求められた例もあります。
- 見積もりは複数から追加料金とキャンセル料を、契約の前に確かめます。見積もりと違う高額な請求は、その場で払うのを断ります。
- 困ったら188不用品回収の相談は、2021年度に2,000件を超えました。消費者ホットライン「188」で、近くの消費生活センターを案内してもらえます。
片付けたあと、また物がたまらないように
総務省の調査では、まだ解消していない例の約3割で、一度片付けたあとに再び物がたまっていました。約7割は、健康やお金の面の課題も抱えていました。
国がまとめた事例には、片付けたあとに介護のヘルパーを使い始め、関係者が定期的に訪ねて見守りを続けた例があります。高齢者のごみ出しを手伝う制度を、ごみ屋敷の人にも広げている市区町村もあります。片付けの相談と一緒に、あとの暮らしの支えも窓口に聞いておきましょう。
ゴミ屋敷の片付けでよくある質問
実家がゴミ屋敷になっています。まず、どこに相談すればいいですか?
親が高齢なら、親の家がある市区町村の地域包括支援センターに相談できます。すべての市町村にある、高齢者と家族のための総合相談の窓口です。市区によっては、ごみ屋敷の条例と相談窓口もあります。
親が片付けを嫌がります。家族が勝手に捨ててもいいですか?
これに正面から答えた国の説明は見当たりません。市が撤去を支援するときも、横浜市は「本人の同意の上」、京都市は「本人の意思に従いつつ」としています。無理に進める前に、地域包括支援センターや市区町村の窓口に相談してください。
ゴミ屋敷の片付けは、自分たちでできますか?
できます。量が多い分は、市区町村の多量ごみの収集や、処理施設への持ち込みが使えるかを確かめます。決まりは市区町村ごとに違うので、このサイトの市ごとのページで確かめてください。
業者に頼むとき、何に気をつければいいですか?
家から出たごみを運べるのは、市区町村の一般廃棄物処理業の許可か委託を受けた業者だけです。「トラック詰め放題」などの広告で頼み、積み込んだあとに高額な料金を求められた相談もあります。複数の業者から見積もりを取り、追加料金とキャンセル料を確かめてください。
片付けの費用を、市が出してくれることはありますか?
市区によってあります。足立区は条件を満たせば上限100万円まで区が片付けを行い、大阪市や名古屋市にも経済的な支援の決まりがあります。ただし対象は、市区が支援が必要と判断した場合です。親の家がある市区町村に確かめてください。
出典
- 厚生労働省「市町村・都道府県における高齢者虐待への対応と養護者支援について(国マニュアル)」(令和7年3月改訂)(確認日:2026年10月17日)
- 厚生労働省「地域包括ケアシステム」(地域包括支援センター)(確認日:2026年10月17日)
- 厚生労働省「『ごみ屋敷』対策について」(関係省庁の取組事例集、令和7年8月29日)(確認日:2026年10月17日)
- 環境省「令和6年度『ごみ屋敷』に関する調査報告書」(令和7年3月)(確認日:2026年10月17日)
- 総務省行政評価局「『ごみ屋敷』対策に関する調査<結果に基づく通知>」(令和6年8月28日)(確認日:2026年10月17日)
- 足立区「足立区のごみ屋敷対策事業」(2026年4月2日更新)(確認日:2026年10月17日)
- 京都市「不良な生活環境(ごみ屋敷)の解消のために」(確認日:2026年10月17日)
- 横浜市「不良な生活環境の解消・発生防止」(2026年7月24日更新)(確認日:2026年10月17日)
- 大阪市「いわゆる『ごみ屋敷』対策について」(確認日:2026年10月17日)
- 名古屋市「名古屋市住居の堆積物による不良な状態の解消に関する条例」(2025年10月16日更新)(確認日:2026年10月17日)
- 世田谷区「いわゆる『ごみ屋敷』対策」(2024年10月24日更新)(確認日:2026年10月17日)
- 神戸市「ごみ屋敷にお困りの方へ」(2024年12月2日更新)(確認日:2026年10月17日)
- 国民生活センター「不用品回収サービスのトラブル」(2022年11月2日公表)(確認日:2026年10月15日)
- 環境省「廃棄物の処分に『無許可』の回収業者を利用しないでください!」(確認日:2026年10月15日)
- 消費者庁「消費者ホットライン」(確認日:2026年10月15日)
- 法務省「成年後見制度・成年後見登記制度 Q&A」(確認日:2026年10月17日)