特殊清掃が必要なとき孤独死などのあとの部屋を片付ける前に

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要点
- 特殊清掃は、孤独死などがあった家で、元の状態に戻すために消臭・消毒や清掃をするサービスです。
- 遺品整理や特殊清掃の仕事には、決まった資格や法律(業法)がありません。業者は自分で確かめて選びます。
- 出たごみを運べるのは、市区町村の許可か委託を受けた業者だけです。産業廃棄物や古物商の許可では運べません。
- 賃貸の部屋なら、原状回復の負担の考え方と、次に貸すときの告知の決まりがあります。
- 相続放棄を考えているなら、部屋の物に手をつける前に相談します。
業者に頼む前に確かめること

- ごみを運ぶ許可親の家がある市区町村の「一般廃棄物処理業」の許可か委託があるかを確かめます。許可は市区町村ごとで、有効期間もあります。市の許可業者の一覧は、このサイトの市ごとのページから開けます。
- 見積もりは複数から国民生活センターは、必ず複数の業者から見積もりを取り、作業の中身と費用をはっきり出してもらうよう勧めています。
- キャンセル料いつから・いくらかかるかを、契約の前に確かめます。
- 残す物に印を残しておくはずの遺品を誤って処分された相談があります。残す物は先に運び出すか、印をつけておきます。
- その場の契約はクーリング・オフも見積もりに来た業者とその場で契約したときは、正しい契約書面を受け取った日から8日以内なら、無条件で解約できます。
- 困ったら188消費者ホットライン「188」は、近くの消費生活センターなどを案内する全国共通の番号です。
賃貸の部屋だったとき

原状回復は「借りた当時の状態に戻すこと」ではない
国土交通省のガイドラインでは、原状回復とは、借りた人の使い方で生じた、通常を超える汚れや傷みを直すことです。年月がたって自然に古くなった分の修繕費は、賃料に含まれるとされています。
借りた人が負担する場合も、建物や設備の年数が多いほど、負担の割合を減らす考え方です。直すのは、できるだけ傷んだ所だけに限ります。
退去のときは写真やメモで記録を残し、納得できない請求には費用の明細の説明を求めます。困ったら188に相談できます。
次に貸すときの「告知」の決まり
国土交通省のガイドラインでは、自然死や、家の中での転倒・誤嚥などの不慮の死は、原則として告げなくてよいとされています。ただし、長い間だれにも気づかれず、特殊清掃や大規模なリフォームなどが行われた場合は、告知の対象として扱います。
賃貸では、発覚してからおおむね3年たった後は、原則として告げなくてもよいとされています。数え始めるのは亡くなった日ではなく、発覚した時です。
一人暮らしの高齢の人が部屋を借りるときの「残置物」の契約
国土交通省と法務省は、亡くなったあとの賃貸借契約の解除と、部屋に残った物(残置物)の処理を、あらかじめ頼んでおく契約のひな型を出しています。おもに60歳以上の一人暮らしの人が部屋を借りる場合を想定しています。
頼まれた人は、亡くなってから3か月がたち、賃貸借契約が終わったときに、残った物を処分できます。換金できる物はできるだけ換金し、お金は相続人に返します。業者に運び出しや処分を頼むときは、原則としてごみを扱う許可が要るとされています。
相続と、相続人がいないとき

相続放棄を考えているなら、部屋の物を売ったり捨てたりする前に相談します。遺品を処分すると、相続を認めたとみなされることがあるためです(民法第921条)。くわしくは相続放棄と遺品整理をご覧ください。
相続人がいるか分からないときや、相続人の全員が相続放棄をしたときは、家庭裁判所が「相続財産清算人」を選びます。申し立てられるのは、お金を貸していた人など利害関係のある人と検察官で、申し立て先は亡くなった人の最後の住所地の家庭裁判所です。
特殊清掃でよくある質問
特殊清掃とは、どんなサービスですか?
孤独死などがあった家で、元の状態に戻すために消臭・消毒や清掃をするサービスです(総務省の調査での説明)。遺品整理の業者が、オプションとして受けていることもあります。
特殊清掃で出たごみは、業者に持っていってもらえますか?
家から出たごみを運べるのは、市区町村の一般廃棄物処理業の許可か、委託を受けた業者だけです。産業廃棄物処理業や古物商の許可では運べません。頼む前に、親の家がある市区町村の許可を持っているかを確かめてください。
賃貸の部屋でした。清掃や修理の費用は、すべて家族の負担ですか?
国土交通省のガイドラインでは、年月がたって自然に古くなった分(経年変化・通常損耗)の修繕費は賃料に含まれるとされています。借りた人の負担は、通常の使い方を超える汚れや傷みを直す分で、年数がたつほど負担の割合を減らす考え方です。納得できない請求には費用の明細の説明を求め、188に相談できます。
特殊清掃をした部屋は、次に貸すときに告げられますか?
国土交通省のガイドラインでは、長い間だれにも気づかれず、特殊清掃などが行われた場合は、告知の対象として扱うとされています。賃貸では、発覚してからおおむね3年たった後は、原則として告げなくてもよいとされています。
相続人がいない、または全員が相続放棄をしたときは?
家庭裁判所が、利害関係のある人などの申立てを受けて「相続財産清算人」を選びます。清算人が借金の支払いなどをして清算し、残った財産は国のものになります。
出典
- 総務省行政評価局「遺品整理のサービスをめぐる現状に関する調査」(令和2年3月13日)(確認日:2026年10月17日)
- 環境省「廃棄物の処分に『無許可』の回収業者を利用しないでください!」(確認日:2026年10月15日)
- 廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第7条(e-Gov法令検索)(確認日:2026年10月15日)
- 国民生活センター「こんなはずじゃなかった!遺品整理サービスでの契約トラブル」(2018年7月19日公表)(確認日:2026年10月15日)
- 消費者庁「消費者ホットライン」(確認日:2026年10月15日)
- 国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(確認日:2026年10月17日)
- 国民生活センター「賃貸住宅の原状回復トラブルにご注意!」(2026年2月17日公表)(確認日:2026年10月17日)
- 国土交通省「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」(令和3年10月8日公表)(確認日:2026年10月17日)
- 国土交通省「残置物の処理等に関するモデル契約条項」(確認日:2026年10月17日)
- 裁判所「相続財産清算人の選任」(確認日:2026年10月17日)
- 民法 第921条(法定単純承認)(e-Gov法令検索)(確認日:2026年10月15日)