相続放棄と遺品整理片付ける前に知っておきたいこと

要点
- 相続放棄は、自分のために相続が始まったと知った時から3か月以内に、家庭裁判所に申し出ます。
- 遺品の全部や一部を処分すると、相続を認めた(単純承認)とみなされることがあります。
- どこまでが「処分」にあたるかは事情によります。迷ったら、片付ける前に相談します。
- 放棄を決める前でも、遺品の中の書類などを調べることはできます。
このページは、民法の決まりと公的な窓口の案内です。一人ひとりの事情に合わせた法律の判断はできません。決める前に、下の窓口や弁護士・司法書士に相談してください。
相談できる公的な窓口
相続放棄の期限と手続き
- 期限
- 自分のために相続が始まったと知った時から、3か月以内
- 申し出先
- 亡くなった人の最後の住所地の家庭裁判所
- 申し出る人
- 相続人本人(未成年の人などは、法定代理人が代わりに申し出ます)
- 費用
- 収入印紙800円分(1人につき)と、連絡用の郵便切手(金額は裁判所ごとに違います)
- おもな書類
- 相続放棄の申述書、亡くなった人の住民票の除票か戸籍の附票、申し出る人の戸籍謄本など(亡くなった人との続柄で変わります)
- 期間を延ばす
- 調べても決められないときは、家庭裁判所に期間の伸長を申し立てられます(申し立ても3か月以内に)
片付ける前に知っておきたい民法の決まり
処分すると、相続を認めたとみなされることがある
民法第921条は、相続人が相続財産の全部や一部を「処分」したとき、相続を認めた(単純承認)とみなすと定めています。財産の価値を保つための行為(保存行為)は、これにあたりません。
遺品を売る・捨てる・人に譲るといったことが「処分」にあたるかは、物や事情によります。放棄を考えているなら、遺品に手をつける前に相談しておくと安心です。
決める前に、調べることはできる
相続人は、相続を認めるか放棄するかを決める前に、相続財産を調べることができます(民法第915条第2項)。放棄するかを決めるために、財産と借金の様子を確かめておけます。
放棄したあとも、管理している物は保存する
相続放棄をした人は、初めから相続人ではなかったことになります(民法第939条)。ただし、放棄のときに遺品を実際に管理しているなら、次の相続人などに引き渡すまで、自分の物と同じように気をつけて保存する決まりです(民法第940条)。
相続放棄と遺品整理でよくある質問
相続放棄をする前に、家の片付けをしてもいいですか?
遺品の全部や一部を処分すると、相続を認めた(単純承認)とみなされることがあります(民法第921条)。どこまでが「処分」にあたるかは事情によるので、片付ける前に家庭裁判所や法テラス、弁護士・司法書士に相談してください。
遺品の中の通帳や書類を、見て調べてもいいですか?
相続人は、相続を認めるか放棄するかを決める前に、相続財産を調べることができます(民法第915条第2項)。
3か月では決められそうにありません。
相続財産を調べても決められないときは、家庭裁判所に期間を延ばす申し立て(伸長)ができます。申し立ては、3か月の期間のうちにします。
相続放棄をしたら、家の中の物はどうなりますか?
相続放棄をした人は、初めから相続人ではなかったことになります(民法第939条)。ただし、遺品を実際に管理しているときは、次の相続人などに引き渡すまで、自分の物と同じように気をつけて保存する決まりです(民法第940条)。
出典
- 裁判所「相続の放棄の申述」(確認日:2026年10月15日)
- 裁判所「相続の承認又は放棄の期間の伸長」(確認日:2026年10月15日)
- 民法 第915条(相続の承認又は放棄をすべき期間)(e-Gov法令検索)(確認日:2026年10月15日)
- 民法 第921条(法定単純承認)(e-Gov法令検索)(確認日:2026年10月15日)
- 民法 第939条(相続の放棄の効力)(e-Gov法令検索)(確認日:2026年10月15日)
- 民法 第940条(e-Gov法令検索)(確認日:2026年10月15日)
- 法テラス(日本司法支援センター)(確認日:2026年10月15日)